【Artifact】イニシアティブ(先手)の重要性【ガイド翻訳】

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Original:https://www.artifactshark.com/the-importance-of-initiative/

Written by David ‘Panda’ Nolskog  25/09/2018

イニシアティブというのはDCGにおいては新たなコンセプトであり、新規プレイヤーにとっては少々難しい概念かもしれない。イニシアティブの重要性を早期に理解することは、パスするのかカードをプレイするのかであったり、カードのプレイ順、あるいはもしかしたらデッキ構築においてすらよい選択ができるようになる可能性がある。

基本的なブレイクダウン

Artifactにおいて、「イニシアティブを所持している」というのは次のレーンで最初のアクションを取れるということを意味している。イニシアティブを所持しているプレイヤーがパス・イニシアティブを取得する効果のカード以外のアクションを取った場合、イニシアティブは対面のプレイヤーに移動する。対面プレイヤーはパスして次レーンのイニシアティブを取るか、カードをプレイしてイニシアティブを返却する選択をする。このやり取りを繰り返し、両プレイヤーが互いにパスすると次レーンのイニシアティブが決定され、コンバットフェーズが開始され、次レーンへ移行する。
イニシアティブとターン優先権は明確に異なっており、多くの新規プレイヤーがイニシアティブの概念を完全に理解するうえでの最初のハードルである。イニシアティブを所持しているプレイヤー(プレイヤーAとする)がレーン開始時の最初のアクションを取る優先権を持っており、それはすなわちターン優先権である。プレイヤーAがパスすると、イニシアティブは引き続き残るが、ターン優先権は対面プレイヤー(プレイヤーBとする)に移る。プレイヤーBがパスしようとも、イニシアティブはプレイヤーAが所持したままである。プレイヤーBがアクションを起こした場合、ターン優先権はプレイヤーAに返り、ターンのサイクルが繰り返される。パスはイニシアティブを返却するものではなく、つまるところこれがArtifactにおいてイニシアティブとターン優先権が明確に異なる概念である所以である。「イニシアティブを取得(日本語では「先手を取得」)」キーワードのカードをプレイすることが唯一のルールの例外で、イニシアティブの保持/奪取であり、かつ後続アクションのターン優先権を維持できる。

イニシアティブのルール

  • 「イニシアティブを所持している」ことは金のコインで表現される。
  • イニシアティブを所持していると、レーンで最初のアクションを取れる。
  • イニシアティブはアクションを起こすと対面プレイヤーに移動する。
  • パスは次レーンのイニシアティブは維持され、アクションと見做されない。
  • 「先手を取得」カードを使うとイニシアティブを維持または奪取ができる。
  • ラウンド終わりのイニシアティブは次ラウンドの開始レーンに引き継がれる。

右レーンでイニシアティブを持ったまま即パスすると次ラウンドの左レーンのイニシアティブも引き継げる

 

 

詳細なブレイクダウン

イニシアティブの基本概念を見てきたので、イニシアティブが最もインパクトのある場面を分析し、ゲームに勝つことを考える。このセクションではイニシアティブの、より複雑で混乱する側面について深掘りし、実際のゲームのシーンを想定して説明することを試みる。

アーリーゲーム VS レイトゲーム イニシアティブのインパクトに迫る

イニシアティブの重要性は多くの場合、いくつかの理由で使用可能マナ数に比例する。アーリーゲームに比べてレイトゲームでのカード1枚のインパクトは劇的に変わる。アーリーゲーム(3~5マナの時間帯)ではイニシアティブの重要性はやや低く、使用されるカードは小さめの効果か、増強という形式での大きな継続的なバリューのセットアップ(「アヴァーナスの霧image」や「アイアンフォグの金鉱image」等)となる。ゲームが進むにつれて使用可能マナ数が増えると、「完全抹殺image」や「暗殺image」のようなボードをひっくり返すようなカードが使われるようになる。イニシアティブを取り、タイムリーな「暗殺image」で青のヒーローを除去することは「完全抹殺image」のようなボード一掃カードを否定し、ゲームの行方自体も決めかねない。このような理由でレイトゲームでのイニシアティブは価値が高くなってくる。タワーへの継続的なダメージやゴールドの安定した確保はイニシアティブの重要性を高める。ターン優先権を持って最初のアクションを取れば妨害されずにコンボを決めることができ、ボードのコントロールを可能にし、ひいてはレーンでの勝利をもたらす。

イニシアティブのブラフ 「先手を取得」カードの有効な使い方

イニシアティブの保持とブラフを両立させれば、正しいブラフはよい結果をもたらし、誤ったブラフは悲惨な結果をもたらす。イニシアティブをめぐる攻防が常に展開されるため、プレイヤーは対戦相手の戦略や考えうるデッキリストを熟知することで、センシティブなイニシアティブというシステムをより有効に使用することができる。
「キーのレーン」でのイニシアティブを保つために他のレーンですぐにパスするのはテンポやボードコントロールを諦めなければならないということだ。対戦相手が「キーのレーン」の直前に「先手を取得」カードを使用することができた場合、大きなスイングとなるだろう。同じことは1つのレーンでのブラフにも言うことができ、一方のプレイヤーが対戦相手のアクションのあと即座にパスすると次のレーンでのイニシアティブがより重要なものとなる。そこで対戦相手が「先手を取得」カードを使用すると、イニシアティブを奪取し、ターン優先権を維持することになり、さらにパスが続けば後続アクションは安全なものとなって即座にコンバットフェーズに移行する。これは対戦相手にとって有利に働くゲームスイングであり、元々所持していてそれを維持しようと犠牲を払った(カードをプレイせずにパスした)プレイヤーを咎めるものである。
多くのケースで、「先手を取得」カードでイニシアティブを奪取し後にパスするのは正しいプレイである。こうすることで次レーンで妨害されずにカードの効果を発揮させることができ、相手のゲームプランを崩すこともできる。「チェーンフロストimage」のようなカードはボード状態を大きく変えることができ、回答がなければタワーへの直接ダメージへの道を開き、そのレーンでの勝利を近づけてくれる。

イニシアティブをヒーローの無力化手段として使う

先に述べたように、レイトゲームでイニシアティブを取ることは安全な勝利のための鍵となる戦術である。新ラウンドにイニシアティブを持って入ることができれば、暗殺のようなインパクトの大きなカードを安全にプレイすることができ、そのレーンの対戦相手のヒーローを封殺することができる。その結果、ゴールドを得るだけでなく、自軍のヒーローを好ましくないトレードから守ることができ、対戦相手が本来実行しようとしていたマナプレイを無効化できることになる。レーンにヒーローがいなければ相手はほとんどのカードをプレイすることができず、手札のカードは無駄なものとなる。いずれもイニシアティブの恩恵によるものだ。こういった状況になれば、残りマナを自由に使うことができ、さらに重要なポイントとして、「アルファ獣の角笛image」のようなボードを制圧できるアイテムを安全に使用することができ、勝利を手繰り寄せることができる。
レイトゲームにおいて、十分なマナと適切な組み合わせのカードがあれば、イニシアティブの恩恵によりゲームに勝利することができる。最初のレーンで「とどめの一撃image」で相手のヒーローを除去すれば、カードやアイテムを自由かつ安全に使うことができ、後続レーンのヒーローを「狙い撃ちimage」や「ガンクimage」のようなクロスレーンカードを用いて除去するようなこともできる。イニシアティブにより最初のレーンのヒーローを即座に封殺すれば、「ブリンクダガーimage」で次レーンに動かすプレイを否定し、勝利を約束してくれるだろう。

結論

イニシアティブは一見マスターしなければならないメカニクスではないように見えるかもしれないが、この記事でイニシアティブがある種のゲーム中でどれほどのインパクトがあるのかを示すことができたと思う。イニシアティブがそれほど大きな影響を持たない試合をプレイすることもあるだろう。ボード状態とヒーロー配置がイニシアティブの重要性を低減も増大もさせるのがArtifactのゲーム性である。だが、常にイニシアティブを考慮して行動順やアクションを決めるべきだ。
イニシアティブのシステムはArtifactに複雑さというレイヤーをもたらしており、先手という非常に重要でゲームを左右する制度を上手く解決しながら些細な選択にも重みを持たせているのだ。

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