
とうとうGwentがHomecoming、すなわち正式リリースを迎えた。めでたい。
10/23にリリースされ、約1週間が経過した。
すでに様々なデッキが登場し、当然のようにメタは混沌としているが、ここまでのメタ変遷(のようなもの)や、リーダー別のアーキタイプを紹介したい。
メタ変遷
初日
分かりやすく強い、あるいはカードをパッと見て組みやすいデッキが席巻する。
代表例:公開ニルフ、ウィッチャーニルフ、破棄スケリッジ、大剣スケリッジ、イースネコントロール、遺言モンスター、命令/チャージ系北方
特に公開ニルフは若干のRNG要素があるが、上振れたときのデッキパワーが非常に高く、1週間が経過した現在も引き続き環境デッキの1つとして君臨している。
2日目
不思議なことにPTRの時と同じように、2日目ぐらいからアーティファクトが強力であることが認知され始め、シヒル等の登場率が跳ね上がる。それにつられてアーティファクトメタ系のカードも採用率が高まりつつある時期。
代表例:アーティファクトを採用しやすいデッキ各種(大剣スケリッジ、コントロール系のスコイア、罠主体スコイア等)
3日目
アーティファクトを詰め込んだ、所謂「絵画展*1」デッキが登場する。単純にユニットを並べるデッキが狩りつくされ、終末感が漂う。
4日目
絵画展コントロールの派生系が流行りつつも、絵画展デッキに勝てるデッキとして公開ニルフのような地力の高いデッキが復権する。坊主めくり公開ニルフはめくれるカードによってポイントが左右されるので、使っている側も使われている側もそこそこストレスを感じるデッキだが、そのブレをなるべく抑えるようなスペシャルに寄せた型の公開も登場し始める。
代表例:エレディンコントロール、アグレイ or/and シーヒルコントロール、公開ニルフ、錬金スケリッジ
5日目以降
PTRの振り返り記事でも指摘したが、「ゾルタン:無頼漢」や「黄金の泡」が強いことが知れ渡り、錬金術を使いやすいスケリッジ以外でも泡構築を見ることが多くなる。Gwentはビールがメタを定義するのだ。また、横に伸ばす泡とは異なる方向である、縦に大きいユニットを展開するモンスターデッキも流行中。
代表例:錬金スケリッジ、スワームモンスター、泡兵士ニルフ、ビッグモンスター
全体的な傾向
大雑把にまとめると下記の図のような状況と言えるだろう。
※個々のデッキにも派生型がいろいろあったり、テックカードの採用状況で相性が入れ替わったりという可能性があるのだが、その辺りは割愛。あくまで大枠で捉える用のもの

リーダー別アーキタイプメモ
現環境でのリーダー別の主要なアーキタイプを記載する。マリガンやプレイングの一助になれば。
ニルフガード
エムヒル
ウィッチャーニルフが大半。通称「ヴェセミルステップ」という、「ヴェセミル:指導者」を2回使うことで戦力の底上げを図る。ウィッチャー3人衆が6*3の18点で出てくる。ウィッチャーデッキはほとんどが配備型能力なので、発動を防ぐことは難しいが、序盤は比較的ローテンポであることが多いので、しっかり拾っていきたい。「ベンハーヴェンのイヴォ」は数少ない起動型ユニットなので、除去札がある場合は温存しておくこと。
あまり見かけないが、「ハッゲのイスベル」を繰り返し使って2枚のカードアドバンテージを得ようとする型も存在する。
ヴーヒス
公開ニルフが大半。「マンゴネル」を設置してから公開アビリティ持ちユニットで坊主めくり対決を挑んでくる。「ディアラン旅団」がデッキから出てくると圧縮とテンポスイングを生み出すのが強力。「マンゴネル」を潰したところで致命傷にはならないところも強い。アーティファクトやスペシャルは少なく、ユニットの点数は揃いやすいので、コントロール系のデッキならば「疫病」のようなAOE系で一掃するチャンスがある。
公開ギミックをついでに利用できる兵士寄せの型も存在する。低戦力値ユニットに「戦奴」で擬似回復→「ヴリームド」も強力なため、低戦力値のユニットは除去しておくとよい。
ジャン
βでは常に使用率TOP争いに食い込んでいたが、HC後はやや出番が減少中。アビリティ自体は不変で依然強力。特定のデッキとのシナジーがあるわけではないため、現時点ではデッキを予測しづらい。公開や兵士系はジャンでやってくる可能性も十分にある。
簒奪者
あまりにも尖った能力の代償としてマリガン回数が驚異の0。ド定番のウィッチャー三人衆の採用すら躊躇われる。マリガンできないのでシナジーを活かしたデッキであるとは考えづらい。「ガレットのレソ」のような妨害に特化したデッキであることが予想される。
北方
フォルテスト
勇躍を付与する能力が強力で、厄介な命令持ちユニットを複数組み込んだデッキが大半。はっきりとした流行の型らしいものは現時点では存在しないと考えられるが、比較的よく見られるものとして、「刺青隊の精鋭兵」を「刺青隊の斥候」で増やし、広げる動きや、その後に「ドラウグ」で打点を増やす動きがある。その他命令持ちで危険なユニットの例としては、「フォルテスト・プライド」や「ガレットのセルトカーク」等。ブロンズの命令持ちも多く投入されていることが予想されるが、どれがデコイなのかを見極めて除去を切ること。
ヘンセルト
環境には存在しない。
アダ
呪縛シナジーがなくなり、非常にシンプルな能力になったため、あまり見かけない。シナジーがあるとしたら、アダ能力と「フーベルト・レイク」の配備能力を組み合わせるぐらいか。いずれにしても任意のタイミングで8点飛ばせるということはシステムユニットはいつ除去されてもおかしくないということは念頭に入れること。
デマヴェンド
ギミック自体はフォルテストデッキとあまり変わらないが、チャージ付与のため、くり返し使われることを考慮して除去札を切る。
モンスター
エレディン
耐性付与する能力が凶悪で、付与対象の一例としては「イムレリス:安息日」、「ケルトゥリス」、「シリ」、「シリ:ダッシュ」、「ゲールズ」等が見受けられる。どれも通してしまうと非常に危険なので、対象指定でない除去(「焦土」等)があると安心。防げそうにない場合は、R1を取ってR2プッシュでリーダー能力を吐き出させるプランも検討すること。
森の精霊
絵画コントロールかビッグモンスター。前者の場合は「疫病」をケアして迂闊にユニットを並べないこと。対象指定の除去は耐性持ちには入らないため、空打ちも辞さない。対エレディンと同じく、R2プッシュは相手のR3を弱体化させることができるため、有効であることが多い。
後者の場合は大型の除去があるならば打ち所を考える。成長シナジーで小型がサイズアップしてくるので、細かな除去を当てて余計な打点を削る。また、「ザヴィエル・レメンス」等の墓地干渉系カードが刺さる。
見えざるもの
遺言。毎ラウンド任意のタイミングで遺言アビリティを発動できるので、封印系カードがある場合は切るタイミングをよく考える。即時発動で特に強力な遺言は「巨大マンティコア」(最低戦力値ユニットを破壊)、「ミルナ」(戦力値3以下ユニットを強奪)等。エレディンのように「ゲールズ」が居残り続けるという状況にはならないため、確実に除去しておきたい。
アラキス・クイーン
捕食または捕食を絡めたスワーム。捕食するたび1点ユニットが出てくるので「疫病」等は決めづらいこともある。必然的に捕食は遺言シナジーがあるため、遺言ユニットが出てくるが、捕食する側(「スリザード」、「バルベガジ」等)を除去してしまえばバリューを大きく下げることができる。スワーム系の場合は横に広げてからバフをかけてくるため、落とせるうちにユニットを減らすことを意識する。
スコイア=テル
フランチェスカ
あまり見かけないが、コントロール系が多いと思われる。何を再利用しようとしているのかを予測しながら戦うこと。墓地にあるスペシャルの再利用なので、対ビッグモンスターと同じく「ザヴィエル・レメンス」が刺さる。
イースネ
絵画コントロール。ラウンド毎に任意に3点ばらまける能力が非常に強力で、「最高級の槍」や「シヒル」と組み合わせて「疫病」や「シーヒル」でビッグスイングを起こしてくる。ユニット点数が揃わないようにプレイすること、R3をロングにしないこと等が対策として挙げられる。
ヴルーヴァー
移動。「ラグ・ナ・ログ」や「竜の夢」と移動シナジーを組み合わせてくる。現在のメタでは天候対策カードを積んでいることは少ないと思うので、やはりR3をロングにしないことを留意したい。ただし、全体的に展開してくるユニットの点数は低めなので、テンポ系デッキならば天候を喰らいながらも押し切れることも少なくはない。
フィラヴァンドレル
何らかのハンドバフまたは種族スワーム系。前者は大きくバフした「シリ:ダッシュ」等を置いてアドバンテージを得ようとする。HC後はハンドバフを嫌ってこちらが早期にパスしても手札4まではノーリスクでプレイできるため、かなりの量のハンドバフをかけることができるようになった。ハンドバフユニットは即座に落とすこと。
種族スワームでは事前にバフされていた場合にボーナス能力が発動するユニットを組み込んでいる(「マハカムの賊徒」、「マハカムの守備隊」等)。手札が上手く噛み合わなければさほど脅威ではないうえ、リーダー能力も1回しか発動できないため、強力とは言い難い。明確な対応策はないが、特段困ることもないだろう。
スケリッジ
ブラン
錬金か野獣破棄。破棄してドローがとにかく強力で、HC後の世界ではほぼ唯一デッキを引ききれるリーダー。相手に応じて不要札を捨てながらドローできるんだからそりゃ強い。前者は横に並べて「黄金の泡」を「グレミスト」を絡めて3回ほど打ってくるため、とにかく一列にユニットをスタックさせないこと。
後者は墓地に野獣を落として、「テルショックの動物使い」でフィニッシュしてくる。三たび登場だが「ザヴィエル・レメンス」1枚でゲームを終わらせられる。
どちらの型も強力なシステムユニットが採用されていることは少ないため、特に前者では除去を積極的に切ってユニットを減らし続けること。AOEがあれば完璧。
クラフ
大剣か泡。大剣はβの斧兵と同じギミックのため、対応策も同じで、「早期に除去」、「封印」、「ショートラウンドで勝負する」が有効。特に最終ラウンドでは「レジス」を警戒すること。泡の場合はほぼブランのものと同じだが、自傷でユニット数を増やせる「ドラムンドの女王近衛兵」が強力なため、4点以上の除去がある場合は必ずこちらに使うこと。
ハラルド
大剣。上記を参照。
アイスト
ほぼ環境に存在しない。戦士の復活対象は「ジュッタ・アン・ディムン」であることが多い。「ベッカーの邪鏡」との組み合わせは瞬間的に大きな打点を出してくるので、念頭に置いておくこと。
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参考デッキリスト
グウェント攻略データベースさんにてTeam CCGのピックアップデッキ記事の翻訳記事が公開されている。
デッキビルダー
まだ完全版ではないが、GwentDBに替わるページになりそうなサイト